第12回食べ歩き研修会開催報告

2月20日(火)午後6時から、京都府調理師会第12回食べ歩き研修会が開催され、多くの参加者を得て素敵なひとときを過ごしました。

店舗外観
店舗外観

今回は会員で理事をお務めの梶憲司さんのお店、「京料理 かじ」での食べ歩き研修会を開催しました。 梶さんは、昭和33年静岡県御殿場市出身。関東で料理人人生としてのスタートを切り、京都や下関での勤務経験の後、しょうざん千寿閣で料理長として15年間料理長を務め、2001年に独立開店して「京料理 かじ」を創業され、地域の繁盛店としてご活躍中です。
また、2008年には、“日本料理人”として京都府優秀技能者表彰(京の名工)を受賞されております。京都府調理師会では理事として料理研修会の講師もお務め頂き、会務にも積極的に参画されておられます。

師範授与式
師範授与式

会食に先立ち、去る2月6日(火)に横浜市で開催された公益社団法人、日本調理師会、創立50周年記念大会で下付された師範認定証の授与を理事の鳴川明展さんに行いました。プレゼンターとしては副会長の髙木洋さんに担当頂きました。

冒頭、乾杯の発声を副会長の木村好男さんにお願いし、和やかに会食が始まります。食前酒はライトなアルコール飲料、日本酒に柚子の絞り汁、柚子の皮のすりおろしで香りをつけ、お店の井戸水で割って軽く甘味づけをした自慢の柚子酒を頂きました。
女性客の多い同店では、飲みやすさを狙って低アルコールに仕立てているとの由、説得力のある説明に感服します。また、季節に応じて毎月異なる食前酒を提供しているとのことでした。

また、店主の梶さんも会食に同席頂き、料理解説を拝聴しながら、質問も多く飛び交う有意義な研修会となりました。
さらに今回、会費を7,000円に抑えて会費負担の軽減化を図り、飲み物は各自支払いとしました。
この価格帯でいかに満足度を高めるかが料理店の腕の見せ所でもあり、今後もこのような食べ歩き研修会にしていく予定です。

前菜
前菜

前菜は如月の一品、節分の献立を提供頂きました。 器は生漆(きうるし)の樽材を加工した野趣ある食器です。 お多福香合には鰯(いわし)紅梅煮、煎り大豆の含め煮、萵苣薹(ちしゃとう)が、九谷焼の小付けには長芋羹、いくらが美味しさを引き立てます。 つぼつぼの茶振りなまこが軟らかく、土佐酢で調味されています。 その横にはサーモン小巻寿司、公魚(わかさぎ)南蛮漬け、金柑釜には白木耳の胡麻和え、のし梅と酒粕の博多押し、金時人参の玉子カステラ、慈姑(くわい)オランダ煮を頂きました。 葉っぱに柊や梅の枝を飾り、季節を感じさせる一品となりました。

椀盛り
椀盛り

次に供されたのが椀盛りで、聖護院蕪の霙(みぞれ)仕立ての温かな一品となりました。 椀種に蛤(はまぐり)真丈と牡蠣(かき)酒炒り、あしらいにエリンギ酒焼き、槍人参、大根を、青みは鶯菜であられ柚子で見た目と美味しさを堪能しました。 椿蒔絵が蓋裏に広がり、美味しさも見た目も季節を感じます。

造り
造り

造りは三種盛りで鯛(たい)へぎ造り、鰆(さわら)焼き霜造り、鰤(ぶり)平造り辛味大根のせ、鯔(ぼら)の白子ポン酢掛けを頂きます。 鰆は4kg物の脂が乗った美味しさを、大変美味しく頂きました。 器は雪笹向付、小付けは土佐醤油と土佐酢の葛引きが供され、それぞれの美味しさで自由に楽しみました。

焼き物
焼き物

焼き物は鰤(ぶり)の山椒照り焼きに聖護院大根を載せて登場です。 聖護院大根を軟らかく煮含めてブリの上に載せてほぐし、そこに照り焼きのタレをベースにして味を調え、葛引きにしたものがかかり、梶さんは焼き物の鰤大根と説明されました。 なるほど、食べ進むに連れ温かい大根との相性も良く、美味しさへのロジックに心打たれます。あしらいは青味大根粕漬け、鼈甲(べっこう)生姜の松葉刺し、ほど芋の素揚げ(アピオスとも呼び、マメ科植物の塊茎。 インディアンのスタミナ源とも言われている。)、ビーツの甘酢漬けがさっぱりとした美味しさを更に引き立てます。

中鉢
中鉢

その後、中鉢として提供されたのは昨年11月の京都府調理師会、第40回料理研修会で講師をされた梶さんに紹介頂いた講習メニューで、蟹味噌豆腐です。蟹身とうるい、生姜ゼリーで頂きます。 ベースとしての蟹味噌豆腐がとても美味しく、ただ夢中に食べ続けます。

炊き合わせ
炊き合わせ

瓔珞(ようらく)紋の蓋物は温かい一品で炊き合わせが供されます。 穴子鳴門煮はふっくらと仕上がっており、一気にのどの奥に消えていきます。 海老芋の柚子味噌掛け、堀川牛蒡には海老真丈が鋳込まれ、金時人参の乱切り、椎茸のやさしい美味しさ、九条葱の甘味とまさに食べ飽きない美味しさの連続です。

唐墨ご飯
唐墨ご飯
ご飯香の物味噌汁
ご飯香の物味噌汁

極めつけのご飯は、土鍋炊きの唐墨(からすみ)ご飯です。 お店で仕込んだ唐墨を炊きあがりのご飯に惜しげもなく使用し、無我夢中でお代わりをします。 漬物は季節の五種盛り、味噌汁はシジミ汁です。大きいシジミのぷっくりとした美味しさにただただ言葉も浮かびません。

提供される季節の品々に、美味しさへのエクスタシーが最高潮に達した頃、最後にデザートの提供となります。

水物
水物

デザートは三種類のアイスから選択するよう案内されます。安納芋アイスクリーム、酒粕アイスクリーム、苺ミルクのシャーベットから選びます。 苺、みかんゼリー、リンゴの泡はエスプーマの軽い美味しさです。 花豆の甘味と相まって恍惚と幸せに浸ります。

集合写真

最後に集合写真を撮影してお開きとなりました。和食の王道を歩む美味しさへの工夫に、ただただ感服することしきりでした。

京都府調理師会として今後もより良い食べ歩き研修会となるよう、しっかり努めていきたいと思います。合掌

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