第41回料理研修会を開催

1月23日(火)午後9時から、京都府調理師会第41回料理研修会が開催され、多くの参加者が勉強の場を持ちました。

この料理研修会は、京都調理師専門学校の学生を含む若手調理師を対象として年間3回の開催としており、これまで年間2回としていた研修会を、初めて年間3回の開催として、今年度最後の研修会となりました。

研修会では京都府調理師会の正会員をはじめとして一般参加者も多く、京都調理師専門学校の学生など、多くの方々が調理技術向上のため参加されました。

「波波」店主 板井 保先生

今回は当支部の理事である天然活け魚料理「波波」の店主、板井 保先生に「魚の美味しさを知る」と題し、料理のデモンストレーションをしていただきました。

板井 保先生は、昭和41年京都市出身。地元で料理人人生としてのスタートを切り、様々な飲食店での勤務経験の後、2003年に天然活け魚料理「波波」独立開店して創業され、地域の繁盛店としてご活躍中です。

また、2016年には、これまでの功績を称え、日本調理師会会長表彰を受賞されております。

講習では天然魚5種類を展開頂きました。

まず、活け締めブリと野締めのブリの外観比較を教わり、それぞれを塩焼きに焼いて試食します。
同じ天然魚でも活け締めと野締めとの大きく異なる味に、全く言葉もありません。

活け締め野締め、ぶり
活け締め野締め、ぶり
ぶりに塩を振る
ぶりに塩を振る

次いで、活け締めのスズキと野締めのスズキを説明頂き、造りにして試食しました。講習ではスズキの旬は夏ではなく、やはり冬場に脂が乗って美味しくなると説明を頂きます。

活け締めスズキ、野締めスズキ
活け締めスズキ、野締めスズキ
スズキ、平造り、へぎ造り
スズキ、平造り、へぎ造り

その後は活け締めのツバス、野締めのツバスを説明頂き、造りにして試食しました。
同じ天然魚でも活け締めと野締めの熟成方法が異なり、特に温度帯が異なることを知りました。
すなわち、なんでもかんでも冷蔵庫に保管するのではないことを教わり、とても勉強になりました。

つばす活け締め、野締め
つばす活け締め、野締め
活け締めツバス、野締めツバス
活け締めツバス、野締めツバス

その後はゲンゲを潮汁に作って頂き、ゼラチン質の食感とあっさりしたお加減でとても美味しく頂きました。

げんげ外観
げんげ外観
げんげ潮汁
げんげ潮汁

最後はババアという名の奇妙な魚を展開頂きます。 産地は兵庫県津居山漁港とのことですが、正式名はタナカゲンゲと呼び、地域でも消費が少なく入荷があれば取り寄せるとのことでした。 ただし、鮮度落ちが早く、早めに調理すれば刺身も可能とのこと。 今回は入荷日の異なる2尾のババアの外観比較を行い、新鮮な物を刺身として試食しました。

ばばあ外観
ばばあ外観
ばばあへぎ造り
ばばあへぎ造り

また、参考として脱皮直後の「水ガニ」と脱皮直前の「二重カニ」を展示頂き、それぞれの料理としての使い分けを教わりました。 水ガニは軟らかいので包丁を使わず、刺身でも焼いても美味しく、そのまま手で食べることが出来るとのこと。 二重カニは茹でて食べるのが一番おいしいとのことでした。

水ガニ手前、脱皮直前のカニ、オニエビ
水ガニ手前、脱皮直前のカニ、オニエビ

おしまいにはパワーポイントを使って、お店で使用する四季の天然魚を色々と紹介頂き、とても勉強になりました。
おいしさを活かすためには常に素材と向き合うこと、そして、最後まで感謝して美味しく食べることの大切さを板井先生から学びました。

PPTで解説
板井先生説明中

京都府調理師会としては、今後もより良い料理研修会となるよう、しっかり努めていきたいと思います。合掌

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