第9回食べ歩き研修会開催報告

3月7日(月)午後6時から、京都府調理師会第9回食べ歩き研修会が開催され、京都府調理師会の正会員をはじめとして一般参加者も多く、親睦を深めて楽しいひとときを過ごしました

お料理1
ふぐ料理 ともえ

今回の研修先は千本北大路にあるふぐ料理「ともえ」でした。同店は2010年にミシュランガイド一つ星を獲得し、以降7年間連続して2016年も一つ星を獲得されています。
同店は「天然ふぐ」しか扱わないことをモットーに、他店にはない美味しさでふぐ料理を提供しておられ、店主の亀井一洋先生は全国ふぐ連盟の副会長として、また京都府ふぐ組合理事長として、ふぐの正しい処理方法の啓蒙を始め、ふぐ料理の普及に努めておられます。
また、亀井先生は2014年度、京都府優秀技能者表彰「京の名工」も受賞されました。

京都府調理師会では、食べ歩き研修会の他に料理研修会も開催しており、今回は2015年11月11日の第35回料理研修会で亀井先生にふぐ料理を紹介頂き、その講習で教わったふぐ料理を提供頂きました。
第35回料理研修会のテーマは「ふぐは寝かせて美味しくなる」でしたが、当日は熟成されたふぐを味わい、繰り広げけられる様々なふぐ料理は、本当に素晴らしいものでした。
以下に会食リポートを記載します。写真と合わせてご覧下さい。

亀井先生
亀井先生
てっさを引く亀井先生てっさを引く亀井先生

熟成中のふぐ
ふぐの頭
先付
先付け 湯引き梅肉添え

先付けはふぐの湯引きに梅肉をかけたものです。湯引きとは熱湯で短時間茹でる技法を意味します。ふぐ独特の臭いを感じることもなく、強いうま味を感じ、さっぱりと美味しく頂きます。

てっさ
てっさ 一文字菊盛り
酢
熟成したポン酢

てっさ(ふぐ刺し)は「一文字菊」という技法で提供頂き、最初の一切れは奨められた塩味で試食します。「一文字菊」は少し厚めの切り身で、噛むほどにおいしさを感じます。
ポン酢も3年熟成のおいしさで、まろやかな味わいになるとのことです。最初は少し物足りなくも感じましたが、ふぐの美味しさを生かすポン酢は、ふぐと同様に熟成していないと美味しくないのですね。
熟成途中の橙(だいだい)果汁の瓶詰めも披露頂きましたが、こんなにも透明度があることに感動します。

ヒレ酒
ひれ酒
ふぐヒレの様子
ふぐヒレの様子

ひれ酒のヒレの処理も同様、血抜きを大切に必ず天日干しを行うことや、乾燥が終わればその後は最低3年間もの熟成を行うことを習い、その美味しさに感嘆します。
次酒といって、ひれ酒のお代わりもヒレの良いだしが出て飲むほどに美味しく、身体も温まります。

煮こごり
煮こごり

煮こごりはふぐの持つコラーゲンを活用して作ったとのことで、通常はゼラチンや寒天などのゲル化剤を使用しますが、それらに頼らず、皮や中骨を煮込んで作ったとのこと、ふぐの自然な美味しさに幸せ感が倍増します。

焼きふぐ
焼きふぐ
焼きふぐ皿盛り
焼きふぐ皿盛り

焼きふぐはふぐの「とおとおみ」を中心に各自で焼きます。「とおとおみ」とは、ふぐの表皮の内側の皮で、こまめに返しながら火を通し、焼きたてを頂きます。こちらも臭みもなく、喜びのボルテージは更に上がり続けます。

唐揚げ
唐揚げ

唐揚げは、ふぐの中骨を中心に提供され、骨付きをかじる食感の良さとその香ばしさと相まって、本当に美味しく頂きます。

ふぐの寿司
ふぐの寿司

その後、ふぐの寿司が提供されます。握りと精巣の軍艦巻きに歓喜の声が上がります。写真だけで味見が出来ないのが本当に気の毒です。

てっちり鍋
てっちり鍋
てっちり盛り皿
てっちり盛り皿

てっちりはふぐの水炊きのことです。時間をかけて白菜を煮込み、頃合いを見てふぐのアラを加え、ポン酢をつけて頂きます。その美味しさに到底言葉も見当たりません。

サメ皮引き
サメ皮引き
見学する参加者
見学する参加者

鍋を食べ終えると亀井先生がサメ皮の処理方法を実演頂くとのこと、カウンター越しに全員が見学します。ふぐの棘(とげ)を支える最下層に包丁を進める高度な技術に感服するばかりでした。

ふぐ雑炊
ふぐ雑炊

その後はふぐ雑炊を頂きます。てっちりの美味しさを雑炊にフィードバックし、あっさりとしたその美味しさに参加者全員の感動と興奮が絶頂に到達するのでした。

専門職としてのふぐ料理は、目利きの良さと的確な調理、まごころのお蔭です。また、ふぐがこんなにも大切に取り扱われていることを知り、これからも心して材料と向き合いたいと思いました。

今回のいずれのメニューも「持ち味をどう生かすのか」という、和食のテーマを追求しました。

京都府調理師会として今後もより良い研修会となるよう、しっかり努めていきたいと思います。合掌

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